理念
痛みの多くは、長年の体の使い込みによる疲労の積み重ねや、内臓の弱りなどから起こってきます。これらの症状は、これ以上放っておいては「大変だ!」という生体の警告音とも言えるのです。
医師の処方や薬局薬店で購入する消炎鎮痛薬(痛み止め)で、炎症をおさえ、痛みを一時的にでも緩和させることは、つらい症状で生じるストレスの緩和にとても有益です。
当院には薬店(大塚台薬店)も併設しており、痛みどめの販売も行っています。
ただ、鎮痛薬は根本的な症状の解決にならない事や、副作用の危険を伴う事もあります。
鍼灸治療は根本的な症状の解決のために行いますが、薬店で販売する鎮痛薬は痛みを治すためではなく、症状が治癒するまでの間に続く我慢できない症状に対して使用する補助的なものという位置づけになります。
よって、当院では、古来より伝わる四診や、東洋医学の術式、また、現代医学の解剖生理学的観点からも体の悲鳴ともいえる病気を判断し、根本的に病を取り除くための鍼灸治療をさせていただきます。
痛みが「らく」になることは当然ですが、その奥に潜む「病の根本」を、自分自身の自然治癒力により健康な状態に戻すことこそが、「真の治療」であると確信しております。
※当院では医師の処方する消炎鎮痛薬を否定することはありません。
なぜなら・・・、
2014年全日本鍼灸学会誌64巻1号で発表された「頭痛に対する鍼灸治療の効果と現状」によると、薬物療法に鍼治療を追加することで一時性頭痛に対する有用性も向上する。との医学的根拠が示されておりますことから、医師処方の消炎鎮痛薬と鍼灸師の治療を上手に組み合わせることも大切なことであると考えているからです。
参照元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/64/1/64_18/_pdf/-char/ja
※薬の販売は「大塚台薬店」が担っております。
※薬の販売は、患者様が痛みどめ等を欲しいと希望されれば法令に基づき販売することができます。
基本的な考え方
鍼灸師のなすべき事
鍼灸師のなすべき事は、
患者様の苦痛を取り除く事に最大限努力する事です。
患者様の苦痛を取り除く事に最大限努力する事です。
患者様の立場に立ってみれば、苦痛から開放される事がすべてなのです。
東洋医学的(古典的)鍼灸治療であろうが、西洋医学的(現代医学的)な鍼灸治療であろうが関係ないのです。
患者さんに言わせれば、いくら理論的であっても結果が伴わなければ、単なる屁理屈にしかなりません。
局所の治療であっても、症状が改善するのであればそちらを選択する事になるでしょう。
理論は、結果が伴わなければ意味を成しません。
鍼灸師は、患者様を治せるようになることに力点を置くべきです。
鍼灸の流派(鍼灸治療の方法)は多様でもかまいません。
そして、ある流派が、その他の流派を批判する事は好ましくありません。
それぞれに皆努力していると思われるからです。
ただ、外せないことがあります。
それは、医学的な根拠(EBM)に基づく鍼灸治療です。
この頃は、どちらを向いても科学的根拠を求められます。
特に行政はこれを求めてきます。
また、鍼灸を受けた事の無い人々も科学的根拠を求めます。
大事なのは、科学的根拠のある鍼灸治療を入り口に置くということです。
その奥で、それぞれの治療を行うということです。
国(厚生労働省)は厚生労働科学研究を行っています。
この中では鍼灸の研究も行っています。素晴らしい科学的根拠も出てきています。
これらの研究は研究者レベルから、臨床レベルに落とし込まなければ意味がありません。
鍼灸学術は個人の資質の問題で様々な選択肢がありますが、科学的根拠のある施術は例外なく鍼灸師の必須となる事でしょう。
今問われていることは、この科学的鍼灸施術の出来る鍼灸院がどれほど存在するかという事です。
EBMに基づく鍼灸治療院が数多くできる事が、鍼灸師地位の向上に役立つものと考えます。