まず、脊柱管狭窄症(手術後)に対する鍼灸施術の結果報告
【超音波エコー】を用いた神経パルス鍼で症状がほぼ緩和!!
最大の痛み・しびれを10とした時に、「10→0」に。
主訴
腰部脊柱管狭窄症の手術後に残った、両足先のしびれ・痛み、冷え、入浴時のしびれ感の悪化
医師による診断名
腰部脊柱管狭窄症の手術4年後・異常なしとの診断
※腰部MRIよる医師の画像診断
現病歴
平成28年10月に左の坐骨神経痛がひどくなり、第3腰椎〜第5腰椎にかけての脊柱管狭窄症の手術をした。
術後、腰の痛みは消失したものの、両足先の冷え・しびれと及び第1趾(足の親指)を中心とした疼痛が悪化。
そのため夜寝付けなくなる。
また、入浴時に足先に「ヒリヒリする様」な異常感覚が出現。
入浴後はすぐ冷える。
歩行時には、第1趾(足の親指)が浮いたような感じになり、しっかりと地面を踏みしめられないことから転びそうなになる。
当院への来院2ヶ月前に腰のMRIを撮ったが、術後からの変化はないにもかかわらず、症状だけが悪化したまま続き、このまま、歩行困難や、足の冷たさが一生続くのではと不安になったため、当院への来院となった。
※スポーツは40歳頃から色々としている。退職後(20年位前)からテニスを始めたためか両膝がO脚になったため、平成27年には、左右の膝を手術し人工関節にした。手術の少し前から、足親指の股に何かを挟んでいるような違和感が始まった。(指先の冷えは平成20年頃からある)
腰部脊柱管狭窄症の手術後の後遺症に対する鍼灸治療
医師の診断名:腰部脊柱管狭窄症の術後MRI異常なし(原因不明の神経症状)
- L2/3, L3/4,L4/5,L5/S1の椎間関節周囲の置鍼15分および温灸
- 左右多裂筋への置鍼15分および温灸
- 左右腰最長筋への置鍼15分および温灸
- 左右腰腸肋筋への置鍼15分および温灸
- 左右多裂筋/左右最長筋付近へ超音波エコーガイド下ファシアリリース鍼、及び、筋パルス15分
- 左右梨状筋への超音波エコーガイド下ファシアリリース鍼、及び、筋パルス15分
- 左右殿部陰部神経近傍への超音波エコーガイド下鍼、及び、神経パルス15分
- 左右殿部坐骨神経近傍への超音波エコーガイド下鍼、及び、神経パルス15分
- 左右大腿後面上部1/3付近の坐骨神経近傍へ超音波エコーガイド下鍼、及び、神経パルス15分
- 腰部の主要経穴へ置鍼および温灸
- 下肢全体の主要経穴へ置鍼および温灸
- 置鍼中は、遠赤外線を照射しての電気的灸頭鍼を15分間施行
※ 赤文字の鍼灸治療が特に重要
使用した医療器材
- 使い捨て鍼灸針 直径0.16×長さ39㎜
- 使い捨て鍼灸針 直径0.30×長さ40㎜(エコー使用時:JSP)
- 棒灸
- 円筒灸
- 低周波通電装置 2Hz 15分
- 遠赤外線治療器 15分
- 超音波エコー画像観察装置:キヤノンメディカルシステムズ(旧TOSHIBA MEDICAL)社 Xario 100 Platinum Series
経過
- 1〜4回目まで変化なし。
- 5回目より、鍼への筋パルス、神経パルスを開始。治療翌日まで、Numerical Rating Scale(NRS)10→0に緩和。
- 6回目、神経パルスの刺激が足先まで到達すれば、NRS10→0が2日ほど続く。
- 8回目、両足の冷えが少し良くなってきた。
- 12回目、就寝中の痛みが和らいだようにある。
- 13回目、手術後より、手術前の方が調子が良かったが、鍼灸を続けることで、最近になり手術をする前の調子の良い状態に戻ってきた。手術する前も痺れはあったが、手術後ほど悪くはなかった。
- 15回目、しびれが、だいぶ良い。
- 16回目、足のしびれも調子良くなってきて、温泉に入ってもジーンとするのがましになってきた。
- 19回目、正月は痛みしびれもなく、無事に過ごせた。
- 20回目、痛みのNRS10→0、しびれのNRS10→0となり、治療終了。
- その後の再発は認められない。
まとめ
今回の症状は、以下の部位に施術をすることで、最大の痛みを10とした時に、10→0と、症状緩和に至りました。
- 腰部の諸筋と、その部位を通過する抹消神経の付近の施術
- 殿部の諸筋の施術
- 殿部の陰部神経周囲への施術と神経パルス
- 殿部の坐骨神経周囲への施術と神経パルス
- 大腿部の坐骨神経周囲への施術と神経パルス
この症例での特に正確な技術が必要な手技(難易度の高い手技)としては、
- 陰部神経周囲への刺鍼(殿部)
- 坐骨神経周囲への刺鍼(殿部・大腿部)
が挙げられます。
超音波エコーを用いて、確実に神経の近傍に鍼を打たなければなりません。
もし、このような鍼灸治療を受けたい方は、以下より、お申し込みください。