慢性の症状に付けられる病名は、将来慢性化する可能性のある急性の症状も含みます。
例えば腰痛症などです。
国の厚生省保発150号通知により、慢性病の名前と慢性病の状態とに慢性の概念が分けて定義付けられています。
腰痛症も、ぎっくり腰等の急性の状態を放っておけば、しばらくして慢性の状態になることが多々あります。
鍼灸は、急性の痛みなどの症状にもよく適応されます。
そして、急性期を越えての慢性の状態にある症状では、急性期の症状と比較した場合、症状の緩和までの時間が長くかかる場合があります。
最初に痛くなって、2~3ヶ月程度の症状でも、大抵の場合、痛みの軽減までに早くても3ヶ月程度を要し、また、完治するまでに半年から1年かかることも多々あります。施術を早くすればするほど、症状のやわらぐまでの時間も短くなる傾向にあります。
しかし慢性の状態であっても、1~2ヶ月程度で良くなることが約10%程度(当院比)ありますので、悲観せずに施術を受けていただければと思います。
なお、精神的ストレスなどが強い場合は、施術に長期間を要することがほとんどです。
精神的ストレス等、体に過度の緊張を及ぼす病気などは、自分が生まれながらに持っている「治る力」もまた低下させるのです。
このような方に対しては、精神的ストレスに対する施術も併用し、自律神経が安定するよう努めます。
ここで注意してほしい事があります。
上記の期間は、個人差が非常に大きいので平均的な話をしています。
中にはもっと時間をかけなければならないような場合もありますし、内臓の病気などから来る痛みなどの場合、鍼灸での完治は難しくなります。
特に一刻を争う病気に伴って出現しているといったような症状の場合は、保険医療機関への紹介をいたします。